【記事】まちの全体が野球チーム!
2023/03/16(木) 情報コンシェルジュ
金沢区は自然に恵まれ、休日になると公園や広場で野球風景を見かけることがとても多いと思います。また、横浜市にはプロ野球球団があり、大人も子ども野球を愛する人々がいっぱいいる環境です。
今回、金沢シーサイドタウン地区で活動する、小学生を中心として結成された少年少女野球チーム”並木フェニックス”の渡邊富美男監督、佐藤正人コーチ、渡辺圭コーチにインタビューをさせていただきました。
野外の寺小屋
1978年の金沢区シーサイドタウン地区に入居開始時、並木地区内の野球チームは4チーム、金沢区全体では19チームと野球が盛んな時代でした。そのなかで、並木フェニックスは1986年に結成し、現在、渡邊富美男監督、佐藤正人コーチ、渡辺圭コーチがチームを支え、練習や試合による学びの他に近隣の公園清掃などを通して社会貢献活動もしています。チームの指導では、優しさと、時には子どものためを思っての厳しさもあり、今、この時代に子どもたちが経験することが少なくなった、深い愛情にあふれていると感じます。
現在、チーム部員は5年生~3年生で11人。能見台、富岡、並木と通う小学校は皆違いますが、練習以外でも仲が良く兄弟姉妹のような部員たちです。
現在チームのキャプテンは女の子!活動場所は、並木第一小学校と十二天公園です。十二天公園のドームは、美術館に居るような気持ちにさせてくれます。練習の合間のお弁当も、きっとよりおいしく感じられることでしょう。
写真:十二天公園ドーム平日の夕方は十二天公園で自主練習をしています。
2021年12月に、金沢緑地と並木のまちを楽しむイベント「あつまれ!並木の森」の
“ナミキアートプラス野外展示プログラム の一環でキム・ガウンさんが制作した”
“ある日、森の中 がドームに描かれている場所です
写真:佐藤コーチ(左)・渡邊監督(右)
渡邊監督は37歳から監督を始め、仕事で単身赴任をしていた時は、“土日祝になるとチームのために並木へ帰る”という生活スタイルでした。
ある日、夕方になって雨が降り出し、練習はないと思ってお酒を飲もうとしたら、“ピンポーン ”と呼び鈴の音。玄関を開けると「監督、練習をお願いします!」と元気な声…が 。当時をふりかえってニコニコと笑いながら監督が話してくれました。
佐藤コーチは、お子さん達もフェニックスのチーム育ちで、コーチ歴21年。監督やチーム全体を繋ぐ、ピッチャーのような寛大なコーチです。
練習ではブレのない1球、1球。時には練習中にくじけてしまう子どもたちに寄り添い、子どもと肩を並べ、じっくり、ゆっくり向き合う姿は、見守る保護者たちにも心強いものです。何か困った時、真っ先に、心のキャッチボールも投げてくれます。
お子さんもフェニックスのチームで育った佐藤コーチは
「今も昔も子どもたちは“野球大好き!!”である事は間違いがないと思います!」と昔も現在も情熱的な子どもたちの心は変わらないと教えてくれました。
写真:圭コーチ
並木第二小学校(現並木中央小学校)で活動している 並木タイガース というチームに所属していました。1990年頃は並木では野球チームが10チームと、当時のにぎやかさを感じます。
渡辺圭コーチは、フェニックスのコーチでもあり、また横浜市少年野球連盟学童部(市連)の常任理事として、金沢区全体の少年少女野球チームのコーチでもあります。市連と金沢区をつなぐ大切な役割を担っています。2022年秋に“ぶんぶんカップ”とうい未就学児対象の野球イベントが並木で開催されました。その時も、圭コーチの笑顔や声掛けで金沢区の各チームが一丸となって助け合い、会場にくる子どもたちを迎えました。
“ぶんぶんカップ”では各チームの募集チラシの配布にも力を入れ「野球人口が急激に減っているので各チーム少しずつでも増えればいいですね!」と、フェニックスをはじめ金沢区全体の野球チームみたい。縁の下の力持ちのような言葉をかけてくれます。
こんな大きな三本柱に支えられている並木フェニックス。チームの選手は、野球の技術だけでなく、心の勉強もできる寺小屋のような学びを受けることができるでしょう。
写真:2022年9月11日 “NPBちびっ子やきゅう大会ぶんぶんカップ″
幼稚園・保育園等の年中・年長を対象としたイベントを長浜公園で開催
「おてんとうさまがみているぞっ」
金沢区は4月~12月(土・日・祝日)に金沢区少年野球連盟に加盟チームの大会があります。金沢区大会は福浦グランドで開催します。試合が始まる前、チームでグラウンドの草取りをしました。
暑い夏空、たくさんの草がおいしげるグラウンド一面。草刈り機の音がなり響く中、子どもたちの手は土と草で汗もびっしょり…
「みんな、おてんとうさまがみているぞっ、みんなが頑張っている姿をみているからな!」
暑くて、一番にたおれそうな監督がみんなに声をかけて無事に草取り終了。そんな草取り後に、保護者からのすいかの差し入れ。甘いすいかの味と監督の言葉は忘れません。
グラウンドはもっと広い!
ボール拾いは、保護者ができる最後のサポートと思っていましたが、実はチームメンバーや保護者だけでなく、さまざまな形でフェニックスはサポートされていたのです。そう、まさに並木というまち全体が、チームのグラウンドであるかのように。
毎日、早朝5時から 富岡並木ふなだまりgionbune公園愛護会 のみなさんが、ふなだまり周辺を毎日清掃してくださっています。「よかったら、ボール使って!!」と愛護会の方から手渡されたボール。ゴミに混じってる拾ったボールを破棄するのはもったいないので、使って下さる先を探していたらたまたま、フェニックスのチームがいて、寄付をいただきました。
寄付されたボールは、小学生~中学生が使う様々野球ボールです。ブラシで磨くと新品同様で、子どもたちにとって、ボールは宝物のような存在です。
写真:富岡並木ふなだまりgionbune公園愛護会
早朝清掃の他に毎月親子でごみ拾いの活動もあります。ボールの他にもたくさんの宝物がでてきます。
金沢シーサイドFM“まちおこしラジオ局”の松原勇稀さんを、飛び込みで訪問して、体験会の参加者募集をお願いしたところ、「渡邊監督にはたくさんお世話になりましたから!」と快く手伝ってくれました。松原さんも金沢区の少年野球チームで育ったからこそ、フェニックスのピンチをすぐに“キャッチ”して、ラジオを通して発信してくれたのだと思います。チームを応援する保護者の後ろには、たくさんの地域のみなさん、様々なチームと肩を組むような、助け合いや応援があることに、日々感謝しています。「野球をやってみたい!」というお子さんや「どんな感じかな?」と興味を持たれた保護者のみなさん、良かったらぜひ、並木第一小学校のグラウンド、十二天公園へお越しください!また、OBのみなさん、ぜひ、ぜひ、グラウンドに帰って来て下さい!
私は、フェニックスのチームだけでなく、金沢区全体をまるで大きなグラウンドととらえているような、そんな情熱的な野球チームのみなさんを応援しつづけたいと思っています!!
2023年 ライター まるこ
写真: 監督は、中学生、高校生とより活躍が期待される将来のことも考えて、年間の試合日の調整、肘の検診の話や怪我予防のトレーニングなど、子どもたちや保護者に指導しています⚾
写真:練習風景
春から秋は福浦グランドで試合を見学することができます。オフシーズンには怪我予防につながるような、体幹を鍛える練習風景を見学できるチャンスがあります。冬のシーズンは怪我などの予防のためにオフシーズンとなりますが、子どもたちの体のケアを考えて練習メニューも用意しています⚾
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