【記事】金沢区とつながるミャンマー

2023/03/09(木)　情報コンシェルジュ

金沢区とつながるミャンマー

写真：ＮＰＯリンクトゥミャンマーのご夫妻

写真：ＮＰＯリンクトゥミャンマーのスタッフさん

並木は都心まで近い利便性や海山に近い土地の魅力から、近年、色んな国にルーツを持つ方々が増えてきています。お仕事をされている方、子育てをしている方々と生活スタイルも様々です。

ＮＰＯ法人リンクトゥミャンマーは在日ミャンマー人の支援やミャンマー本国の経済支援活動をされています。私自身、今まで以上にもっと外国に由来があるご家族と地域のつながりを大切にできたら嬉しいなと今回、リンクトゥミャンマーのＴＵＮさん、深山さんご夫妻にインタビューさせていただきました。

『ちがいをだいじに平和のために』

大学生時代に民主化活動をしていた夫のＴＵＮさんが弾圧を恐れ日本へ亡命したのは１９９０年のこと。日本で様々な仕事をする中で深山さんと出会いご結婚されました。

ＮＰＯ法人格を得たのは2017年です。前身団体は2012年から活動をしており、『ちがいをだいじに平和のために』をキャッチフレーズに揚げ、ミャンマー人と日本人がともに発展する平和で豊かな社会を目指しています。

以前は並木に事務所がありましたが、事業拡大のため、2020年に富岡に事務所を新しく開きました。並木が一望できる素敵な場所にある事務所内は、学校のような手作りの看板が各部屋に飾られ、時計は日本とミャンマーの時間を刻み、アットホームな空間で並木と富岡をつなぐような場所にあります。

活動スタッフは学生インターンやプロボノ、ボランティアを含めて14名です。活動の対象者は400名ほどの在日ミャンマーの方々です。

写真：富岡の事務所

育てよう多文化共生

リンクトゥミャンマーのメインの活動は在日ミャンマー人の生活の中の困りごとを引き受ける受け皿です。

食料支援や通訳、行政手続きや各種契約手続きへの同行支援、日本語レッスンや面接練習支援、時には特殊詐欺にひっかかってしまった在日ミャンマー人とともに法テラスへ同行する、ということもあります。

ミャンマーは2021年2月に起きた軍事クーデターや新型コロナの流行により、依然として不安定な状況にあります。そうした中、家族のため・未来のために日本へ働きに来ている在日ミャンマー人や、日本の大学に学びに来る留学生は増えており、行政では受け止めきれない細かな支援のニーズの高まりに対応できるよう、安心のできる安定した体制を整えています。
2022年は金沢ラウンジフェスティバルや神奈川あーすフェスタでのマスクとコーヒー販売などのほか、リンクトゥミャンマー主催の奈良スタディツアーなども開催しました。美しい秋の奈良で観光も楽しみつつ、旅館で働くミャンマー人の方にインタビューを行ったりできる企画で、国際交流を深めるツアーでした。

写真：金沢区役所展示会(2022年9月6日～16日まで金沢区役所１Ｆでミャンマー衣装やリンクトゥミャンマーの活動に関する展示会を開催しました。)

写真：ミャンマーの方々が作成された展示品

みらいのかけはし

2022年はミャンマーの人を支援するクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げ、SNSでの配信もたくさんしています。クラウドファンディング活動はリンクトゥミャンマーのインターン生・新しいスタッフさんの企画だそう。

取材時に「今日が初出勤です！」と新しいスタッフさんにも出会いました。これからも魅力的なイベントや配信、新しい活動に胸をふくらませられます。

リンクトゥミャンマーで扱っているミャンマーの方が作成されたマスクとコーヒーは、あらゆる人々へとても心のこもった温かい贈り物です。マスクとコーヒーはミャンマー本国の経済支援活動の一つでもあります。

コーヒーはミャンマーの豆を使い香り高くすっきりとした上品な味と、温かみのある豆の色で、使いやすいドリップコーヒーとなっています。本格的なミャンマーのコーヒーをいただけ、ミャンマーの支援ともつながります。「何か力になれましたらお声ください！！」と心強いＴＵＮさんと、地域の方々の相談も受けとめてくれる優しい深山さん。

ＮＰＯリンクトゥミャンマーは大家族のようなあたたかい皆様でした。

2023年、並木で色んな国の方々と大人も子ども達も交流ができたら嬉しく思います。

未来に向けてリンクトゥミャンマーが地域の架け橋となり、魅力のある素敵な活動がたくさんつながる事を応援したいです！！

2023年　ライター　まるこ